「ああ、やっと着いた」
船から降り、リアラはんーっと背伸びをする。
フォルトゥナを出発して半日、やっと港に着いた。三年ぶりに外の世界に出たためか、少しの移動で疲労を感じてしまう。
(だめね、早く元の身体に戻さなきゃ)
苦笑を溢し、リアラは辺りを見回す。
(懐かしいな…。ここが外の世界で初めて来た町だったんだよね)
この港町はフォルトゥナを行き来する船が出ている唯一の町で、フォルトゥナからの船に乗った者は必ず訪れる場所だ。もちろん、三年前に初めて外の世界に飛び出したリアラも例外ではない。
(さて、と)
一通り考えた後、リアラは町の方へと目をやる。
(あの店、まだあるかな)
目的の場所への道を思い出しながら、リアラは歩き始めた。