「ふう、これでいいかな」
モップを動かす手を止め、リアラは事務所の中を見渡す。
珍しく朝から依頼の電話があり、ダンテは出払っている。彼が帰ってくるまでに掃除をしてしまおうと、ダンテを見送ってすぐ、リアラは掃除を始めた。普段なかなかできない倉庫やリビングの窓の掃除などもしたため、事務所内はピカピカだ。
「よし」
満足そうに頷き、リアラはモップとバケツを片付ける。片付けを終えると、洗面所でリアラは鏡を見ながら頭に手をやる。
「ちょっと埃被っちゃったな…洗濯してる間に、シャワーでも浴びてこようかな」
埃っぽいところを掃除していたためか、少し頭に埃を被ってしまったようだ。服にも埃がついてしまっているし、どちらにしろ洗った方がよさそうだ。
「うん、そうしよう」
うんうんと頷き、リアラは着替えを取るために自室へと向かった。