この日、朝からリアラは出かける準備をしていた。以前満月の日であるという理由からレディと出かけられなかったため、今日一緒に出かけることになったのだ。
「ん、と…これでいいかな?」
化粧台から少し離れた位置で自分の姿を見渡し、リアラは呟く。ここに来てからダンテ以外の人と出かけるのは初めてのため、服装がおかしくないか少し不安になる。
(ダンテさんはかわいいとか、似合うとか言ってくれるけれど…)
うーん、と唸りつつも、あまり悩んでもしょうがないか、とリアラは気持ちを入れ換える。鞄の中身を確認し終わったところで、下からダンテの呼ぶ声が響く。
「リアラー、レディが迎えに来たぞー」
「あ、はい!」
大きな声で返し、リアラは駆け足で部屋の扉を開けた。