『ニュースをお伝えします。先週末から被害が多発している連続強盗事件ですが、昨夜も街の裏通りにある店が襲われ、商品である短剣や銃が何点かなくなっていたとのことです。武器のみを狙っていることから、警察ではテロを企む組織の仕業と見て…』
「またか…」
夕食の準備を終え、テレビをつけたリアラはニュースの内容にため息をつく。
先週末に報道されたこの事件はまだ続いているらしく、どのニュース番組を見てもこの話ばかりだ。武器ばかり盗んで、何をしたいのか。大体の予想はつくが、そんな人の醜い部分など考えたくもないため、リアラはその考えを頭から振り払う。
チャンネルを変えようかとリモコンを持ち上げたその時、ガチャリと音を立てて事務所の扉が開いた。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい、ダンテさん」
依頼を終えて帰ってきたダンテに、リアラは立ち上がって彼に近づき、出迎えの言葉を述べる。ダンテは彼女の頭を撫でると、テーブルに並べられている料理に視線を移し、嬉しそうに呟く。
「今日もうまそうだ」
「今日はミートパイです。さっき出来たばかりなので、熱々ですよ」
「それなら早く食べないとな。武器を置いてくるから、ちょっと待っててくれ」
「はい」
頷き、リアラはふわりと笑った。