―母、様…?
「……」
―嘘だ…母様、母様!
「…っ…」
―嫌っ…母様、母様ぁぁぁーっ!!!
「…っぁ、っ!」
叫びそうになったその瞬間、リアラは目を開いた。目の前には見慣れた天井。
身体を起こし、荒い息のまま辺りを見回すと、リアラは呼吸を整えようと胸に手を置く。
「っは、っは、はっ…はぁっ…」
ぎゅっ、と服を強く掴み、リアラは窓を見上げる。窓の向こうには、少しだけ欠けた月が浮かんでいる。
(あと二日で、満月になる…)
訪れる満月の日を思い、リアラは顔を歪めて俯いた。
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