昼食を終え、キッチンで洗い物をしていたリアラはため息をつく。


「…はぁ」


事務所に住み始めて十日が経った。だが、悪魔関連の依頼は一つも来ず、来ても浮気調査とか、ペット探しなどの本来の仕事とはほど遠い依頼ばかり。ダンテによれば、表向きは便利屋としてやっているため、このような依頼がよく来るらしい。とはいえ興味がないのか即座に断ってしまうダンテに少し呆れ、ペット探しくらいはリアラが請け負っている。魔狼の血譲りの嗅覚を使えばそれほど苦労することはないので、少しは足しになると思ったからだ。
とはいえ、そろそろ本来の仕事がしたい。


「依頼来ないかなぁ…」


呟いて再びため息をついたその時、背後で扉の開く音が響いた。お客さんだろうかとリアラは後ろを振り向く。


「え…」


視線の先にいた人物にリアラは目を見開く。
玄関には女性が二人いた。片方は左右に跳ねた黒髪のショートカットの女性で、白いスーツに身を包み、黒いサングラスで目元を隠していた。その背に巨大なランチャーを担いでいる。
異様といえば異様だったのだが、リアラが驚いたのはもう片方の女性だった。
腰まで伸びた長い金髪の女性。黒いビスチェとレザーパンツに身を包んでいる。そして、その顔は自分が見たことのある顔だった。
リアラは思わず呟く。




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