窓から温かな日差しが降り注ぐお昼時、ダンテが自室で惰眠を貪っていると、シャッとカーテンの開く音が響き、太陽の光が瞼を通して差し込んできた。
「んん…」
「起きてください、ダンテさん。もうお昼ですよ」
眩しさに眉間に皺を寄せ、寝返りを打ったダンテの頭上から女性特有の高い声が降ってくる。眠たげにダンテが目を開けると、そこには屈んで自分を見るリアラの姿があった。
「まだ眠いんだ、もう少し寝かせてくれ…」
「もう少しって、もうお昼ですよ。お昼ご飯だって作ってるんですから、早く起きてください」
少し咎めるように言うリアラに、ダンテは寝起きのぼんやりとした頭で答える。
「昼飯…?もう用意してんのか?」
「そうですよ。本当は朝ご飯だって用意してたのに、ダンテさんが起きてこないから仕方なく食べちゃいましたけど」
リアラの言葉に、はて、とダンテは首を傾げる。冷蔵庫にそんなに食材があっただろうか。
「冷蔵庫に飯作れるようなもんあったか…?」
「朝に近くの市場に出かけて買ってきたんです。ダンテさんの事務所を探してる時に、いろんなところを回ってて、覚えてましたから」
ちょっと迷いましたけど、と言うリアラに、そこまでしてもらってさすがに申し訳なくなったダンテはむくりと起き上がる。
「悪かったな、すぐ行く」
「…お願いですから、シャツはちゃんと着てきてくださいね」
真っ赤になりながら、頭を撫でるダンテから目を逸らすと、リアラは部屋を出ていく。初々しい反応に楽しそうに笑いながら、ダンテはベッドから立ち上がった。