「失礼します…」


扉をノックしてからゆっくりと開き、リアラは室内を覗き込む。
室内は二階立てなのか、奥に階段がある。一階を事務所として使っているようで、手前に来客用のであろう二人掛けのソファがテーブルを挟んで二つあり、奥には木製の立派な机と椅子があった。右側にはバーのような小さなカウンターと扉が一つ、中央には通路があった。おそらくキッチンやバスルームだろう。
おそるおそる中に入り、一通り辺りを見回していると、頭上からガチャリ、と扉の開く音が響き、リアラは上を見上げる。


「誰だ、こんな朝早くから」


ガシガシと頭を掻きながら二階の一室から姿を現したのは、ダンテだった。ダンテは眠そうにあくびをすると寝ぼけ眼で一階を見下ろす。
とにかく何か言おうとリアラは口を開く。


「あ、あの…!」

「ん…?…リアラ?」


リアラの姿を見留めて、ようやく誰が来たのかわかったダンテは目を瞬かせる。リアラは必死にコクコクと頷く。


「さっそく来たのか」

「あの…起こしてしまって、ごめんなさい」

「気にするな、待ってるって言ったのは俺だからな」


そう言うと、ダンテは階段を下りてリアラに近づく。そして、リアラの目の前に立つと、優しい笑みを浮かべた。


「…お疲れさん。ようやくここまで来たんだな」

「…はい。ありがとうございます」


微笑み、礼を言ったリアラはふいに顔を真っ赤にして俯いてしまった。
ダンテは首を傾げる。


「リアラ?」

「あ、あの、その…」


戸惑いつつ、リアラはチラリとダンテを見る。
ダンテは革のズボンを履いただけで、上半身には何も身につけていない姿だった。そのことに気づいたダンテは苦笑してリアラの頭を撫でる。


「悪い、着替えてくる。ちょっと待っててくれるか?」

「…はい」


真っ赤なまま、リアラはこくりと頷いた。




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