「…ということなのです」
三十分後、部屋の一室でリアラとダンテは依頼人と向かい合っていた。
依頼人の住む孤児院に来て依頼人と会った二人は、今、依頼人から依頼についての話を聞いていた。内容はそれぞれの仲介屋から聞いた話とほとんど同じだったが、昨夜、また新たに一人いなくなったらしい。
「では、夜中の内にいなくなっているんですね?」
「はい。子供達が寝る時と起きる時は必ず私や職員が見ていますから」
「そうですか…」
頷くと、リアラは依頼人の女性を見つめる。
「わかりました、では今夜は孤児院の外で様子を見てみます。また今夜も現れる可能性が高いでしょうから」
悪魔であれば狩らせて頂きます、と続けたリアラに女性はすがるように頭を下げた。
「お願いします」
二人が話している間、ダンテは一言も口を挟まず、じっと二人の話に耳を傾けていた。