「そんなこともありましたねぇ…」
「ああ。君が変わらずその銃を使ってくれているようで、嬉しいよ」
「使っているというか、守られてるって言った方が正しい気がしますね。いつも、私の力になってくれてます」
そう言うと、リアラはゆっくりとホワイトウルフを撫でる。
「そうかい。でも、その銃も君に使ってもらえて嬉しいと思うよ。こんなに大切にされているしね。あいつも喜ぶさ」
「ありがとうございます」
リアラが微笑むと、スミスは深く椅子に腰かけた。
「しかし、本当にあいつの言う通りになるとはね…あの時は思ってもみなかった」
「?」
リアラが首を傾げると、スミスはゆっくりと語りだした。
「この銃をもらった時に、あいつに言われてね。『もし、あんたがその銃を渡したいって思う奴が現れたら、あたしに遠慮せず渡しちまいな』ってな」
あの時はそんな馬鹿なことをするかと鼻で笑い飛ばしてしまったが、先のことなんてどうなるかわからないと、目の前の女性に会って教えられた気がする。
ああ、と何かを思い出したようにスミスは前のめりになってリアラに告げる。
「君に教え忘れたことがあってね」
「?」
首を傾げるリアラに、スミスは優しく笑いかけた。