仄かな月明かりの下、白いコートが悪魔の群れの中でひらひらと舞う。

ザシュッ、ザンッ

ギィィィィ!!!

切り裂く音、銃声、悪魔の断末魔。
リアラは攻撃を紙一重でかわしながら、スケアクロウの身体を下から切り裂く。次いで後ろにいたスケアクロウの攻撃をかわし、屈んで足についた爪で横に凪ぎ払う。
十分も経たない内に悪魔はみるみる数が減り、リアラが一旦動きを止めた頃には、全てのスケアクロウは砂に還り、残るはメフィスト二体となっていた。
残った悪魔を見やり、リアラは思案する。


(残るはメフィスト二体か…。少し面倒だな)


メフィストはリアラに向かって、爪を伸ばす。その攻撃を避けると、リアラは二体の内の片方に向かって走った。


(まずはその衣を剥がさないとね)


リアラは左の太股につけたホルスターに手を伸ばすと、素早く銃を取り出した。白銀に輝く銃−ホワイトウルフを構えると、リアラは狙いを定め、撃った。撃つと言っても、普通の撃ち方ではない。常人ではなし得ない早さで連続して撃っているのだ。
その攻撃により、みるみるうちに衣が剥がれ、醜い本体が地に落ちる。それに向かってリアラが手をかざすと、上空に鋭い氷柱が現れ、下にいるメフィストに突き刺さった。メフィストは不快な鳴き声をあげながら砂に還り、散っていく。
もう一体を同じ方法で倒し、リアラは銃をホルスターに仕舞うと、ふう、と息をつく。


「Mission complete…」


呟くと、リアラは辺りを見回す。
悪魔の気配はもうしない。自分が庭にいたことで屋敷内にいた悪魔も全てやってきたのだろう、好都合だった。


「久しぶりの依頼で疲れたし、今日はもう帰ろう」


もう夜も更けているし、依頼人には明日報告すればいいだろう。踵を返し、リアラは屋敷を後にした。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -