二人で髪留めを探し始めて数十分が経過した。
片方は試験菅の残骸のすぐ側にあったため、すぐに見つけられたが、なかなかもう片方が見つからない。


(もう、悪魔に壊されちゃったのかな…)


そう思い、リアラが諦めかけたその時、視界の端でキラリと何かが光った。
顔を上げ、リアラが光の見えた方へと目をやると、離れたところにもう片方の髪留めがあった。


「あった!」


ぱあっと顔を明るくして、リアラが髪留めを取ろうとその場に駆け寄った、その時。

ザワッ

「!リアラ、避けろ!」


悪魔の気配を感じ、ダンテが叫ぶ。とっさにリアラが避けると、先程までリアラがいた場所にカットラスが現れ、再び床へと姿を消した。
ダンテはリアラに駆け寄ると彼女の小さな身体を抱き抱え、部屋の中央―試験菅の残骸まで移動する。その間に、先程のカットラスに加えグラディウスも現れ、みるみる内に数が増えていく。
リアラを試験菅の前に下ろしてやると、彼女の頭を優しく撫で、ダンテは言う。


「ここにいる悪魔を全部倒したら、髪留めを取ってきてやるから。じっとしてられるな?」

「うん」


こくりとリアラが頷いたのを見てから、ダンテは自分達を取り囲む悪魔へと振り返った。


「さて…ゆっくりと相手をしてやりたいところだが、今はやらなきゃいけないことがあるんでな。さっさと片付けさせてもらうぜ!」


そう言い、リベリオンを手に取ると、ダンテは悪魔の群れへ突っ込んでいった。




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