夜明けが近づいてきた頃、仄かに白み始めた空の元、ぼんやりと姿を現し始めた城の中にリアラとダンテはいた。
夜明けが近づいているためか、今のところ悪魔は出てきていない。それでも、いつ悪魔が出てくるかわからない。
辺りに注意を払いながら、ダンテは隣りを歩くリアラを見やる。
リアラも同じことを考えているのか、辺りを注意深く見回している。その手には、自分の双子銃とよく似た、一回り小さな銃が握られている。家を出る前、彼女が護身用にと持ってきたものだ。
彼女がその銃を持っていくと言い出した時、最初は「俺が守るから必要ない」と言ったのだが、彼女は頑なに譲らなかった。「守られてばかりは嫌だ」というのが理由らしい。
武器を持っていることから考えて、何度か悪魔と戦ったことがあるのだろうが、今の彼女の姿で悪魔と戦うことはかなり難しい。
やはり、自分が守らねば。
そう考えて、ダンテはリアラと共に歩みを進めた。




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テーマ「人外ファンタジー」
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