途切れていた意識が、ふいにはっきりと、鮮明になる。リアラはゆっくりと目を開ける。
「………」
視界に広がるのは、暗闇。息を吐き出すとコポリ、と空気の泡が浮かぶことから、水の中にいるのだとわかる。
(身体が、重いなあ…)
身体に力が入らず、指先を動かすのがやっとだ。冷たいか、熱いかもわからない。感覚がない。
(このまま、死んじゃうんだろうな…)
そう思い、リアラが目を閉じた、その時。
(…?何か、明るい…)
瞼の裏に射し込む光に再び目を開けると、遠くにキラキラと光るものが見えた。水の外にあるのか、それは揺れる水面越しに光っている。
光を見つめていると、ふいにリアラの身体が何かに引っ張られた。驚く間もなくどんどん光に近づき、やがて、目の前が白く染まった。