『着いたぞ』
移動を始めて約十分、ようやく足を止めた悪魔にリアラも足を止める。どうやら使われなくなった工場のようで、建物のシャッターは錆びつき、窓ガラスは割れている。コンクリートで覆われた地面にはところどころにひびが入っていた。
「なるほどね、ここなら人は来ないわね」
『だろう?ここなら誰にも邪魔されず、決着をつけられる…お前の望み通りにな』
「……」
持ったままだったディアクトを構え、リアラは悪魔にその矛先を向ける。
「…決着をつけましょう。リグレット」
その言葉に、悪魔ーリグレットは口を歪める。
『あれからどれ程強くなったか…楽しませてもらおう』
「…絶対、あんたを生かしてはおかない!」
叫ぶと同時に、リアラは強く地を蹴った。