(やっぱり、前とは違うな)
ソファに身体を預け、天井を見上げながらダンテは思う。
あの日以来、お互いに距離ができてしまっている。リアラもきっとそれに気づいているだろう、そして、その原因が自分だと思っている。
(あんなこと聞いた俺も悪かったな…)
どうしたものかと、ダンテは頭をガシガシと掻く。
(このままの状態が続けば、ここを出て行くって言いかねねえな、あいつなら…)
きっと、自分に気を遣わせていることを申し訳なく思って。彼女の性格なら、そう言いかねない。リアラがこの事務所に住み始めて三ヶ月、毎日彼女を傍で見てきて、ある程度彼女の考えていることはわかるようになっていた。
(出て行くとしても、行き先はフォルトゥナだろうし…連れ戻すことはできる、けど、)
きっと、首を縦には振らないだろう。一度フォルトゥナに戻ったら、もうそこから出ることはない、自分の勘がそう告げていて。
(…出て行かせたく、ない。無理矢理にでも引き止めて、ここにいさせたい)
どうして、こんなことを思うのか。普段なら疑問を感じるこの想いに疑問を持つこともなく、ダンテは思考を巡らせ続けた。