リアラが急いで階段を下りると、リビングではレディとダンテが待っていた。リアラは二人に近寄る。
「待たせてごめんね、レディ!」
「今来たばかりだから大丈夫よ」
そう言うと、レディはリアラを見て微笑む。
「私服、かわいいわね」
「え?そう、かな…」
リアラは淡い碧色をした七部丈のサマーニットに白いショートパンツを合わせていた。ざっくりと編まれたニットの網目から濃い灰色のタンクトップが見えている。
「レディの言う通りだ、かわいいと思うぞ」
「あ、ありがとうございます…」
ダンテにまで褒められ、リアラは顔を真っ赤にして俯く。
「相変わらず初ねえ、リアラは。ま、いいわ、早く行きましょ。喫茶店でトリッシュと待ち合わせしてるから」
「トリッシュと?じゃあ、早く行かなきゃ!」
レディに続いて玄関に向かったリアラは、一度振り返るとダンテに向かって手を振る。
「じゃあ、行ってきます」
「ああ、行ってこい」
手を振り返してくれるダンテに見送られ、リアラはレディと一緒に事務所を後にした。