「…そこまでしてくれなくても、ダンテさんは私を助けてくれてますよ。今でも、たくさん」


ダンテの目を真っ直ぐに見つめ、リアラは続ける。


「満月の夜にこうなることを知ってもダンテさんは傍にいてくれるから、すごく安心するんです。悪夢を見る回数も減ったし…」


それでも、満月が近くなると悪夢を見ることに変わりはないのだけれど。でも、旅をしていた時よりも確実に悪夢を見る回数が減っている。


「旅をしている時は、満月が来る度に不安でしょうがなくて…。でも今は、ダンテさんがいてくれる。こうして心配してくれて、傍で支えてくれる。だから、安心できるんです」

「リアラ…」

「今は、大丈夫ですから。…ただ、もしわがままを言っていいなら、私が眠るまで傍にいてくれませんか?」

「…ああ」


リアラの小さな願いに答えるように、ダンテは彼女の身体を自分の方へと寄せる。甘えるようにダンテの服を掴み胸元へ顔を寄せると、自分を包む優しい温かさにリアラはゆっくりと目を閉じた。



***
2014.9.3




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