「不気味なくらい静かだな…」


辺りを見回し、ダンテは呟く。
城の中はひっそりと静まり返っており、悪魔の気配は全く感じられない。 それが逆に不気味だった。


(ゼクスの言ってた教団の生き残りって奴らしき気配もねえ…。あいつの言う通り、まだここへは来てねぇのか?)


ゼクスの言っていた、教団の生き残りで、おそらくリアラを使って悪魔を造り出している奴。
ゼクスがリアラを助け出そうとするたびに邪魔をしていたなら、今この瞬間もリアラを取られまいと悪魔をけしかけるなどして邪魔をするはずではないか。


(まあ、考えててもしょうがねぇか…)


来ないのならそのままリアラを助け出してここを出るだけだし、来るのなら二度とリアラに近づかないようにこらしめるだけのことだ。
そう考え、再び歩き出したダンテの背後で、床がふいに波打った。




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テーマ「人外ファンタジー」
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