「……」


窓から見える外はすっかり暗くなっている。
依頼場所が街外れの廃墟とはいえ、遅すぎる。彼の身に、何かあったのではないだろうか。
ダンテが強いのは、自分もよくわかっている。そこら辺の悪魔になどやられたりしない。けれど、もし、万が一のことがあったら…。
悪い考えばかりが頭を占め、リアラはぎゅっ、と手を握りしめる。ケルベロスが心配そうにリアラを見つめた、その時だった。

キィ…

「!」


扉の開く音に、リアラは顔を上げる。その視線の先には、自分が帰りを待っていた人物がいた。
…が、何だかいつもと様子が違う。伏せぎみの顔は表情が見えない。


「ダンテさん!」


嫌な予感がした次の瞬間、ダンテの身体が傾いた。急いで走り寄ったリアラはダンテの身体を支えたが、重さに耐えきれず床に膝をつく。


「ダンテさん、ダンテさんっ!!」


苦しそうに息をするダンテの目は固く閉じられたまま。半ば悲鳴のように、リアラは何度も彼の名を呼んだ。




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