「へぇ…。こんなところがあったんですね」

「まあ、スラム街の奴でもなかなか来ないからな。来るとしたら、犯罪に手を染めてる奴か、裏組織の奴等くらいだ。たまに、俺みたいなデビルハンターも来るが」

「そうですか…」


翌日、リアラとダンテは依頼先であるスラム街の一画に来ていた。まだまだスラム街のことを知らないリアラは、ダンテの説明を聞きながら隣を歩いている。
周りを見渡しながら、ダンテは呟く。


「にしても、ここに来るのも久しぶりだな…」

「久しぶり?」

「ああ。何回か質屋に魔具を売りにな」


ダンテの言葉に、リアラは目を見開く。


「魔具を売りに!?ここで売ったんですか!?」


以前、使っていた魔具はどうしたのかと聞いた時、「使わなくなったから質屋に売った」とは聞いていたが、まさかこことは…。
ダンテは頷く。


「ああ」

「魔具なんて売れる物なんですか?」


魔具は、悪魔や自分達半魔のような魔力を持つ者にしか使えない。人が使っても、魔具そのものの能力を発揮することはできないのだ。


「まあ、武器としては使えるからな。何とか頼み込んで買い取ってもらった」

「頼み込んでって…」


よほどお金がなかったのだろう。とはいえ、魔具を売るとは呆れてしまう。それ以上何も言えず、リアラは深いため息をついた。




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