「ダンテさん?」
「…いや、何でもない。もう遅いし、そろそろ寝るか」
「そうですね…っきゃ!?」
頷き、リアラが立ち上がろうとすると、ふわりと身体が宙に浮き、いつの間にかダンテに抱えられていた。驚いたリアラは足をばたつかせる。
「ダ、ダンテさんっ!?」
「泣き虫なお嬢さんのために、今日は一緒に寝てやろうかと思ってな。…それとも、こんなおじさんと寝るのは嫌か?」
そんなことを言われては、断れないではないか。真っ赤になって俯きながら、リアラは弱々しく答える。
「…嫌じゃ、ないです…」
「なら、決まりだな」
笑って言うと、リアラを抱えたまま、ダンテは二階への階段を上がっていった。