「やはり、今日は数が多いな…」
「満月だから、仕方がないわ」
ミティスの森に出た悪魔を狩りながら、二人は会話を交わす。
満月の日は悪魔の活動が活発になる。加えて、森は木々によって影が多いため、悪魔達が動きやすいのだ。
現れた悪魔を全て片づけ、他の悪魔の気配がないかを確認すると、ゼクスはレイザードの方を振り返る。
「フォルトゥナ城に向かうか。今行けば、日が暮れる前には着くだろう」
「ええ」
森を抜け、二人はフォルトゥナ城へと向かう。数十分程で城に着いた時、ゼクスは険しい表情になった。
「…何か、いるな」
「ええ。…これだけ気配が強いとなると、上位の悪魔ね」
レイザードも険しい顔で頷く。しばらく気配を追っていたゼクスは目を見開いた。
「フィーリアのいる部屋に真っ直ぐ向かっている…!?まずい!フィーリア、リアラ!」
叫びながら、ゼクスは城へ向かう。彼の後を追い、レイザードも城の中に入った。