「じゃあ、いってきますね」

「ああ。気をつけてな」

「はい」


手を振り、外へと出ていくリアラにダンテは手を振り返す。パタン、と扉が閉まると同時に手を下ろし、ダンテはため息をつく。


「結局、理由はわからずじまい、か」


あれから二日経った。昨日の朝、また夢でうなされていたらしいリアラにダンテはわけを尋ねたのだが、「何もありませんよ、心配しないでください」と答えるのみで、結局理由はわからなかった。それどころか、夢なんて見ていないと否定する始末だ。
理由のわからないまま今日を迎え、昨日の午後に電話で依頼を受けたというリアラは依頼先へと向かってしまった。依頼場所が遠いから時間がかかると言い、明日の昼頃に帰ってくると彼女は言った。


(何か、隠してんのか…?)


何かをひた隠しにしているような彼女の言動。どうしても、知られたくないことがあるのだろうか。
人には隠したいことの一つや二つはある。普段なら無理に聞こうとはしないが、今回はどうしても知りたい、とダンテは思っていた。なぜなら、彼女の言動が自分に心配をさせないために行っていることだと感じたからだ。彼女の心配をかけたくないと言う気持ちはわかるが、毎晩悪夢にうなされる程のものなら、話してほしい、と思う。


(明日、もう一度聞いてみるか…)


彼女が依頼から戻ってきたら、もう一度。今度はわけがわかるまでとことん聞いてみよう。そう決めて、ダンテは身を翻した。




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