「おはようございます、ダンテさん」

「おう、おはよう、リアラ」


いつもと変わらない朝、リアラは二階から下りてきたダンテに朝の挨拶をする。
何度か朝に起きてくれるように頼んでいるうちに、ダンテは朝に起きてくれるようになった。いつも眠そうにしているが、「リアラのうまい飯が食えるならいい」と毎朝ちゃんと起きてくれるダンテに、リアラは嬉しさを感じていた。


「カフェオレでいいですか?」

「ああ」


いつものやり取りを交わし、ダンテはソファに座る。少ししてリアラがトレーを持ってやってきて、フレンチトーストの乗った皿とカフェオレの入ったカップをテーブルに並べた。一度戻って果物の入った皿を持ってくるとテーブルの中央に置き、ダンテとは向かいのソファに座る。


「いただきます」

「いただきます」


リアラが来てから当たり前になった挨拶を口にし、二人は食事を始めた。
フレンチトーストを口にしながら、ダンテはリアラを見つめる。


「……」

「…?ダンテさん、どうかしましたか?」


視線に気づき、リアラはダンテに尋ねる。いや、とダンテは首を振る。


「何でもない。気にするな」

「?はい」


首を傾げながらも頷き、食事を再開したリアラを、ダンテは黙って見つめていた。




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