「大丈夫か?」
帰り、森の中を歩きながらダンテは隣を歩くリアラの頭に手を置き、尋ねる。ダンテを見上げ、リアラは口を開く。
「大丈夫です。…もう、気にしてませんから」
そう答えるリアラの頭をダンテは優しく撫でる。
「…お前の両親は、いい人達だよ。俺が保証する」
「…ありがとうございます」
ようやく笑みを浮かべたリアラに微笑み返すと、何かを思いついたのか、ダンテは屈んでリアラと視線を合わせる。
「寂しくなったなら、添い寝してやるぞ?」
「なっ…!」
ダンテの言葉に、リアラは顔を真っ赤に染める。自分の様子にクックッと喉を鳴らして笑うダンテに、リアラは目を吊り上げて怒る。
「笑わないでください!子供じゃないんだから、大丈夫です!」
「悪い、悪い」
それでもまだ笑い続けるダンテに、機嫌を損ねたリアラは早足で先へと行ってしまう。その様子を楽しそうに眺めながら、ダンテも後に続く。
結局、上手く言いくるめられて一緒に寝ることになるのだが、それはまた別のお話。
***
2014.1.12