一方、悪魔は物陰に身を潜め、辺りの様子を窺っていた。
『追ってこないな…観念したか』
ほっと安堵の息をつき、悪魔はそっと物陰から姿を現す。
『デビルハンターが来るとは予想外だったが、今夜はもう追ってくるまい。明日からまた村に行くとするか』
明日に備えるためにねぐらに戻ろうと、悪魔は踵を返す。
だが。
『!』
ふいに感じた気配に、悪魔は後ろを振り返る。徐々に近づいてくる気配は、自分と似たような気配をしている。が、何かが違う。
(この辺りに私意外の悪魔はいないはず…一体どこから…!)
そう考えていた悪魔の目の前に突然、白い影が躍り出た。
『!』
突然現れた影に、悪魔は身構える。
白い影の正体は狼だった。だが、気配からして普通の狼ではない。そしてその狼の背には、先程自分に銃を向けた赤いコートの男が乗っていた。
『貴様はさっきの…!ならば、まさかその狼は…!』
「おっと、それ以上は教えてやる気はないぜ。余計な詮索をする前に自分の身を心配した方がいいんじゃないか?」
『くっ…!』
苦々しく顔を歪めると悪魔は走り出す。それを追い、リアラも走り出した。