「似合ってるじゃねえか」
店を出てから、隣を歩くリアラを見やり、ダンテは言う。
リアラは白いニットワンピースに水色のキャミソールを合わせていた。キャミソールの紐は肩紐と首に結ぶ紐のダブルになっている。ベージュのストッキングに茶色いブーツを合わせており、とてもよく似合っていた。
「もうあんなことしませんからね」
「まあまあ、そう怒るなって」
むっとしているリアラの頭を撫でて宥め、ダンテは彼女に尋ねる。
「で、夕食の材料を買いに行くんだったか」
「…はぁ、そうですよ。何か食べたい物はありますか?」
大きなため息をつき、仕方なく気持ちを切り替えたリアラはダンテに尋ねる。ダンテは少しだけ思案して答える。
「ピザがいいな」
「ピザですか?昨日も食べてましたよ?」
「俺の好物なんだ」
「…まさかピザばっかり食べてる、とかはないですよね?」
昨日のキッチンの惨状を思い出し、リアラは尋ねる。ダンテは当たり前といった顔で答える。
「そうだが、どうかしたか?」
「………」
リアラは額に手をやり、大きな大きなため息をつく。この人の身体は大丈夫なのだろうか。
「…あの、今度ちゃんと作りますから、今日は止めておきませんか?代わりに何でも作りますから」
リアラがそう頼むと、ダンテは再び思案し、こう答えた。
「じゃあ、夕食はお前に任せるから、デザートにストロベリーサンデー作ってくれないか?」
「ストロベリーサンデー、ですか?」
「ああ。できるか?」
「あんまり食べたことはないので、味は保証できませんけれど…」
「お前の作ったもんなら何でもうまいさ」
ニッと笑って言い切るダンテに思わずくすりと笑みを漏らし、リアラは頷く。
「わかりました、じゃあ、作ってみます」
「ああ、楽しみにしてる」
「はい」
そうと決まれば、食材を買いに行かなければ。二人は大通りにある市場へと向かった。