身支度を整えてダンテが二階から下りてくると、足音に気づいたのか、キッチンからリアラが顔を出した。
「ダンテさん、カフェオレでいいですか?」
「ん?ああ」
「わかりました。じゃあ、ソファに座って待っててください」
リアラの言う通りにダンテがソファに座ると、目の前のテーブルにはすでに食事が並べられていた。トマトソースのパスタに、サラダ、コンソメスープ…どれもおいしそうだ。
少しして、リアラが二つのマグカップを手にやってきた。
「はい、どうぞ。熱いので気をつけてくださいね」
「ああ」
ダンテがリアラからマグカップを受け取ると、リアラはダンテの向かいのソファに座る。
「じゃあ、いただきます」
リアラにつられてダンテも食事前の挨拶をすると、さっそくパスタに手をつける。
「ん、うまい」
「そうですか、よかったです」
安堵の息をつくリアラにダンテは苦笑する。
「そんなに心配しなくてもいいだろ、フォルトゥナでもお前の飯食ったんだし」
「でも、人に食べてもらうのって不安に感じちゃって…」
「心配するな、お前の作る飯はうまい。俺が保証する」
「…ありがとうございます」
嬉しそうに笑ったリアラに微笑み返し、ダンテは食事を再開する。
「この後はどうするんだ?」
「買い物に行こうかと思ってます。昨日、掃除してて足りない物をメモしたので」
そうか、と頷くとカフェオレを一口口にし、ダンテは言った。
「なら、俺も一緒に行く。まだここら辺の地理わからないだろ?」
「…いいんですか?」
「ああ、それに荷物も多くなるかもしれないしな」
「わかりました、お願いします」
ダンテの気遣いにふわりと柔らかな笑みを浮かべ、リアラはカフェオレに口をつけた。