▽ 彼女について 3
「ねえリアラ、ダンテ」
「何?」
「どうした?」
「二人はさ、死神さんのことどう思ってる?」
「え?」
「何だ、いきなり…」
「ふと思っちゃって。バージルは死神さんとよく喧嘩してるから何となく思ってることは予想がつくんだけど、二人はどう思ってるのかなあ、って」
ね、どう思ってるの?身を乗り出して聞くルティアの目は好奇心で輝いていて、リアラとダンテは顔を見合わせる。
「どう思ってるか、ねえ…」
「そうだなあ…私は、優しい人だと思うよ。前に私が魔獣に拐われた時にダンテと一緒に助けに来てくれたし」
「優しい?死神さんが?」
「あいつに優しいなんて言えるのはお前くらいだな…」
「そうかな?死神さん、何かと私を気遣ってくれるよ?」
「確かに死神さん、リアラにはちょっと優しいんだよね。私には厳しいのに…」
少し拗ねた顔を見せるルティアにリアラは苦笑する。
「でも、死神さんはルティアが小さい頃からずっと傍にいてくれたんでしょう?それに、ルティアのお母さんが亡くなってからは生きていくためのいろんな知識を教えてくれた。嫌なら傍にいないと思うし、何かを教えたりしないと思うよ。それって死神さんなりの優しさなんじゃないかな?」
「そうかな…」
「きっとそうだよ」
笑顔で頷くリアラにつられ、ルティアも笑みを浮かべる。
「…うん、リアラが言うならきっとそうだね」
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