DMC×魔女パロ | ナノ


▽ また一つ、君を知る 11

「これでよし、っと」


ベランダに採ってきた薬草を吊るし終え、リアラは一息つく。
家に着いた時には先程の雨が嘘のように空は晴れ渡っていて、珍しいなと思いながらリアラはすぐに動き始めた。長い間保存できるように薬草を干しておかなければならず、今の時期には希少な晴れになったのだからこの機会を逃す手はない。自室内の梯子からベランダへと上がると、鞄から薬草を取り出し鋏で折り採った部分を切り揃える。麻紐に薬草の束を括り付け等間隔に並べると、屋根の柱に紐の端をしっかりと括り付ける。今日は採った薬草の量が少なかったからいつもより早く終わった。


(そういえば、まだ明日配達する薬草の準備をしてなかったな…準備してこよう)


鞄を持って梯子を下り、自室に入る。壁のコート掛けに鞄を掛け、コルクボードから明日の配達の分のメモを取ると薬草庫へ向かう。キッチンの下に繋がっている螺旋階段を下り、小屋の扉の前に立つと小さな声で呪文を唱える。一瞬、淡い青色の魔法陣が浮かび上がると消え、取っ手を押して中に入る。


「明日は五件か。えっと、頭痛薬に使う薬草が三束に、傷薬に使う薬草が一束…染め物に使う薬草が三束…」


棚から薬草の入った籠を取り出すと、必要な分の薬草の束を取り出す。それぞれの薬草を瓶に詰め、小さなテーブルの上に置いていく。メモに書いていた分の薬草を用意し終えると、量に合わせたバスケットを取り出し、瓶を中に並べていく。


「これでよし、っと」


メモをバスケットの中に入れ、小さなテーブルの上に置けば明日の配達の準備は完了だ。一息ついたリアラは、外から聞こえる音に気づき、入り口から顔を出す。

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