DMC×魔女パロ | ナノ


▽ また一つ、君を知る 6

「…あ、もう少しで薬草の生えてる場所に着くよ」

『何の薬草を採りに行くんだ?今の時期にしか採れない薬草って言ってたが…』

「水分を吸収する薬草を採りに行くの。効能っていうよりはその植物の特徴だから、厳密に言えば薬草ではないんだけど…普段は土の中に隠れているんだけど、雨の降る今の時期は地面に葉を出して水分を根に溜め込むの。根が一番水分を吸収するけど、貴重な薬草で数が少ないし、使い方を間違えると危ない薬草だから、実際に使うのは葉だけだね」

『へえ、なるほど。水分を吸収する、ってことはその薬草をやるのは死神か』

「うん、よくわかったね。前に死神さんにその薬草を贈ったら喜んでくれて。この前、魔獣から助けてもらった件もあるし、そのお礼に贈ろうと思って」

『そういえばあいつの羽根は金属でできてるから、水や氷を浴びたりするとその都度手入れしなきゃいけないんだったな。バージルとよくやり合ってるから、氷属性のあいつの攻撃を受けるとその度に手入れしなきゃいけないってぼやいてたし。あまり魔獣の姿でやり合うことはないみてえだが』

「あはは、そうだね。まあ、あの二人が魔獣の姿で戦うと、ルティアの家どころか森の大半にも被害が及ぶと思うけど」

『あー、確かにな…』


その様を想像して、リアラは困ったように苦笑し、ダンテは乾いた笑みを浮かべる。目の前に視線を移したリアラがあ、と声を上げる。


「着いたよ」

『ここか。少し湿度が高いな、水分を吸収するにはこういう場所が適してるってことか』

「うん、川が近いから風が吹くと水分を含んだ風がここまで来るの。それにここは木々が生い茂って日陰ができてるから温度も高くならないし」

『日の光はあまり必要ないんだな』

「そうだね、むしろ日の光が当たり過ぎると枯れちゃうから、薄暗いくらいの方がいいんだろうね」


そう言うとリアラは辺りを見回し、目的の薬草を見つけたのかある木に近づき、根元にしゃがむ。

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