DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 結ぶのは、一人だけ 16

アイスティーの入ったグラスを二つ乗せたトレイを持って、リアラはリビングに向かう。リビングの真ん中に敷かれた白いカーペットにダンテは座っていた。


「ごめん、お待たせ」

「ああ」


ダンテの隣りに座り、リアラは間にトレイを置く。


「どうぞ」

「ああ、ありがとな」


リアラからグラスを受け取り、ダンテは口をつける。リアラも自分のグラスに口をつけ、コク、と一口飲む。ダンテがグラスを置いたのを見計らって自分もグラスを置き、リアラは口を開いた。


「それで、話って何?真剣な目をしていたから、何か大事な話なんだろうけど…」

「いや、そんなに重大な話じゃない。ただ、一つ聞きたいことがあってな」

「聞きたいこと?」

「ああ」


リアラと向き合うように態勢を変え、じっとリアラの目を見つめたダンテは一呼吸置いて尋ねる。


「…なあ、何でこんな俺と、契約し続けようと思える?」

「…え?」


一瞬、ダンテの質問の意味がわからず、リアラは戸惑う。だが、彼の目も戸惑いに満ちていて、こんな目をする彼を見たのは初めてだった。


「あのホムンクルスから、死神からの伝言で『彼奴にリアラの本音を伝えてやれ』って聞いて、お前とあいつが話してる内容を録画したのを見た。…なあ、俺が気まぐれに興味のある魔女と契約して、飽きたら契約を切ってきたことをあいつから聞いたんだろ?なのに何で俺と契約し続けようと思えるんだ?」

「…っ!」


ホムンクルスにはそんな能力もあるのか。驚くと同時に、リアラはダンテの質問の真相がわかった気がした。どうしてそんな話を聞いて、俺と一緒にいようと思えるんだ、俺を信じられるんだ、と彼はそう言いたいんじゃないか、と。一度目を閉じ、澄んだ目でダンテを見つめ返したリアラは静かに口を開く。


「…確かに、それを聞いた時は驚いたよ。けれど、だからと言って罵っていいわけじゃないわ。やり方はよくなかったかもしれない、けれど、契約をしているその間、ダンテはパートナーである魔女を守っていたし、言うことも聞いていたんでしょう?」

「…っ!」


仮定ではなく、そう言い切ったリアラにダンテは目を見開く。


「私が敬語を辞めたあの日、ダンテ言っていたわよね、『契約している魔獣として当たり前のことを、しているだけなのにか?』って。それは、パートナーである魔女を守ることも、命令を聞くのも当たり前のこととしてやってきた、そういうことでしょう?なら、ダンテは誰かを裏切ったりはしていない…そういうことでしょう?」

「……」

「誰にだって言いたくない過去はあるわ。私だって、わざわざ自分の傷ついてきた過去を言いたくない、相手を困らせてしまうから。…それでも、ダンテは私の過去を受け入れてくれた、わかった上で契約してくれた。そんな優しい人と契約を切る理由が、どこにあるの?」

「…っ!お前は、どうしてそんなに…」


苦しそうに言うダンテに、リアラは尋ねる。

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