DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 仕事以上の 5

少女が出してくれた紅茶を一口飲み、ソーサーに置いて、リアラは向かいに座る少女に視線を移す。


「先程、死神さんに自己紹介をしましたが、改めて自己紹介させて頂きます。『雪の薔薇』のリアラです、よろしくお願いします。リアラと呼んで頂いて構いません」

「あ、私は『白魔女』のルティアです。よろしくお願いします、リアラさん。私もルティアと呼んでもらって構いませんから」

「そうですか、ではルティアさんと呼ばせて頂きますね。では、さっそくですが仕事のお話をさせて頂きます。キリエから話は聞いているかと思いますが、私の仕事は薬草の採取と配達です。他に魔獣の捕獲も仕事としていますが、今回は関係がないので説明は省かせて頂きますね」

「はい」

「今回、キリエから話を聞いて、必要な薬草を持ってきました。月光草などを含め七種類、間違いや足りない物がないか確認をお願いします」


リアラは隣りに置いていた大きなバスケットをルティアに手渡す。受け取ったルティアは蓋を開けて中身を確認する。


「…うん、全部揃ってる。お願いしていた薬草、全部あります」

「そうですか、よかったです」

「あの、お代は…」

「ああ、そうですね。少々お待ち頂けますか?」

「はい」


少女が頷いたのを確認し、リアラは腰に付けていた仕事用の革のポーチからメモとペンを取り出し、持ってきた薬草の値段を計算する。合計の金額を代金として伝えると、少女は驚きに目を見開く。


「え、待ってください、安くないですか?月光草なんて貴重な薬草も入ってるのにその値段だなんて…」

「そうだな。業者によっては倍の値段で売りつけてくる奴もいるからな」


死神も同じことを思ったらしく、ルティアの言葉に頷く。


「確かに皆さんに安いと驚かれますが、私はこれでいいと思っています。日々の生活には困らないように値段を決めていますし、買う方が困るような値段は付けるつもりはありません。必要としてくれている方の足元を見るようなやり方は好きではありませんので」

「そうですか…わかりました。じゃあ、そのお値段でお支払いします」

「ありがとうございます」


ルティアから薬草の代金を受け取り、リアラは財布に仕舞う。


「今後も必要であればご利用ください。必要な薬草と個数、配達の時間を書いて手紙で出して頂ければ、約束の日に配達させて頂きます。ただ、月光草などの貴重な薬草は時期によって採取するのに時間がかかる場合もありますので、その時はお早めにお願いします」

「わかりました、ありがとうございます。…あの」

「はい」

「まだ、お時間はありますか?仕事の話は抜きで、一人の魔女として、貴女とお話したいのですが…」


リアラは目を瞬かせる。仕事先で一部の自分のことを理解してくれる先輩魔女に励まされたことはあっても、そんなことを言われたことなんてなかったからだ。不安そうながらもこちらを真っ直ぐに見つめてくるルティアにくすりと笑みを零し、いいですよ、と答えようとした時だった。

prev / next
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -