DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 仕事以上の 4

「すみません、今日、お会いする約束をしておりました、『雪の薔薇(スノウ・ローズ)』のリアラといいます。『白魔女(ソルシエール・ブランシュ)』さんはご在宅でしょうか?」


中へ声をかけると少ししてはーい!と屋敷の主らしい魔女の声が聞こえた。


「すみません、お待たせしました。わざわざこちらまで来て頂いて…」


扉を開けて姿を見せたのは、金色の髪に深緑色の目をした、17、8歳程の少女の見た目をした魔女だった。自分の方が年上だからか、彼女は少し緊張しているようだった。


「いえ、気になさらないでください。こちらこそお忙しい中、時間を作って頂き、ありがとうございます」

「そんな、こちらが頼んだことなのに…」

「困っている人を助けるのは、当然のことですから。それに、友人の頼みですし。お邪魔してもよろしいでしょうか?」

「あ、失礼しました。今、ご案内しますね」


屋敷の主に招かれ、失礼します、と一言言い、リアラは屋敷の中に入る。中も外同様しっかりとした造りで、廊下に飾られた物も歴史と品を感じさせる。


「どうぞ」


少女に案内され、着いたのは広い応接間だった。真ん中に細かな彫刻が入った立派なテーブルが置かれ、それを囲むように一人用と二人用のソファが置かれている。誰もいないと思っていたそこに一人の女性が腰かけていて、リアラは目を瞬かせる。


(あの人は…)

「死神さん!?何でここにいるの!?」


少女も予想外の人物がいたことに驚いたらしく、大きな声を上げた。二人掛けのソファに腰かけていた女性は声を上げた少女を見やり、一つため息を吐く。


「客人の前で大声を上げるとは…私はお前をそんな風に育てた覚えはないんだがな」

「いるはずのない人がいたら誰だって驚くでしょう!?」


抗議の声を上げる少女にどうしたものか、とリアラが悩んでいると、す、と女性の視線がこちらに向けられた。


「お前がリアラか。…静かでありながら研ぎ澄まされた魔力をしているな、彼奴にそっくりだ」


女性の言葉にリアラは目を見開く。


「父をご存知なのですか?」

「ああ、何度か会ったことはある。自己紹介が遅れたな、私は…」

「『死神(ラ・モール)』さんで間違いないですか?」

「ほう、其奴の一言で分かったか」

「お話は聞いていますから。挨拶が遅れてしまい、すみません。『雪の薔薇』のリアラといいます、以後お見知り置きを」


そう言って深々とお辞儀をするリアラとああ、よろしく、と返す死神。一方、屋敷の主である少女は予想外の展開についていけず、二人を交互に見やる。


「え、え?何、死神さんはこの人のこと知ってるの?」

「正確には其奴の父親をな。仕事の話をするんだろう、さっさとしたらどうだ」

「あ、えっと、うん」


戸惑いながらも、少女はこちらへどうぞ、とソファへ座るように勧めてくれる。ありがとうございます、と言ってリアラは二人掛けのソファに静かに腰かける。

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