DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 覚えることはまだまだある 22

「バージルは魔術で氷の短剣を作るけどそれ以外に魔術で何かを出すことはしないでしょ、武器である閻魔刀は常に持ってるし。それに対してリアラは氷柱やさっき練習で出した槍、後は氷の結晶を出したり、結界を張ったり…形を決めてるバージルとは違って種類が多いな、って思って」

「なるほどね。用途の違い、といったところかしら。私は日常生活でも魔法を使うけど、バージルは戦いだけに魔術を使っているから」

「愚弟の仕置きにも使っているがな」

「オイコラ、オニーチャン」

「いちいち喧嘩売らないの、バージル」

「…フン」


ルティアに注意され、鼻を鳴らして向かいの若から視線を逸らすバージル。身を乗り出しかけた若はディーヴァに窘められ、渋々といった体で座り直し、こちらもバージルから視線を逸らす。こういうところだけは似ているんだよな…と二人を見ていた周りは内心呆れつつ、話を再開する。


「私はそう思うんだけど、おじさんはどう思う?」

「俺か?」

「うん、バージルのお兄さんでリアラのパートナーであるおじさんから見てどう思うのかな、って」


話を振られたダンテはそうだな…と顎を撫でながら答える。


「ルティアの言う通り、魔術の形…種類の多さに違いはあるな。付け加えるなら、バージルは一対一を想定してることと相手を倒すための魔術であること、リアラは多数相手を想定してることと相手を足止めするための魔術であることの違いってところか」


まあ、相手を倒すための魔術であることは俺達全魔獣に共通してることなんだがな、とダンテは言った。


「そっか、その時の戦う状況によっても使い方って違ってくるよね。でも、リアラのは相手を足止めするための魔法ってどういう意味?」

「リアラの仕事は悪さをした魔獣の捕獲だろ?『捕獲』であって、『討伐』じゃない。捕獲してケルベロスの監獄塔に送るなら足止めでいいだろ?」

「!そっか、悪い魔獣をケルベロスの監獄塔に送るなら、『足止め』してその間に転送魔法を使って送ればいいものね!そっかー、なるほどなぁ…」


感心したように頷くルティアの横で、リアラはダンテをじっと見つめる。


(ダンテ、私のことよくわかってるなあ…)


常に傍にいて、自分のことを見ているからこその理解なのだろう。自分はどれだけダンテのことを理解できているだろうと考えていると、あ!とルティアが声を上げた。

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