DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 覚えることはまだまだある 13

「例えばだけど、ルティアはブロンズクラスの魔獣と戦う時とゴールドクラスの魔獣と戦う時、それぞれに合わせて魔力の量は調節してる?」

「うーん…どっちも同じくらいの魔力を使ってるかも…」

「そっか。短い時間で終わらせるためならそれでもいいかもしれないけど、もし、戦いが長引いてしまったらどうする?途中で魔力がなくなってしまったら、戦うことも、身を守ることもできない。ブロンズクラスの魔獣が相手なら魔力がなくなる前に倒すことはできるだろうけど、ゴールドクラスの魔獣が相手なら倒す前に魔力がなくなってしまう可能性が高いでしょう?」

「確かに、そうだね」

「だからね、戦う相手に合わせて使う魔力の量を調節するの。同じ魔法を使うとしても使う魔力の量を変えていれば、途中で魔力がなくなることは減るはずよ。ただ、当たり前のことではあるけれど、使う魔力の量を減らすと魔法の威力は下がってしまうけれどね」

「そうなると、戦う相手に合わせて魔力を調節するには、素早く相手の力を見極めなきゃ、ってことだね。状況の把握力も必要かあ…うーん、すぐにはできなさそう…」

「状況を把握する力は経験を積んで培っていくしかないから教えることは難しいけれど、魔力の調節の練習ならできるわ。その練習をするだけでも魔力がなくなる原因を減らせるから、がんばりましょう。それに、誰だってすぐにできるようになるわけじゃないわ、私だってそうだったもの。だから、焦らずにやっていきましょう」

「…うん、そうだね。じゃあ、練習お願いします!」


元気よく頭を下げたルティアにリアラは笑顔で頷く。


「じゃあ、上手く魔力の調節ができるようになるために、出された物の大きさと同じ大きさの物を魔法で出す練習をしましょう。出す物の大きさが違えば、それだけ使う魔力の量も違ってくるわ。まずはそれでそれぞれに使う魔力の量を覚えましょう」

「それって、一番最初にやったことの応用、ってことでいいのかな?」

「そうだね。でも、同じ物を作り出すとしても使う魔力は人それぞれ違うから、ルティアはルティアの、自分の魔法に必要な魔力の量を覚えないとね」

「自分の魔法に必要な魔力の量、か…なるほど、勉強になるなあ」

「それならよかった。じゃあ、始めましょうか。私が魔法でそれぞれ大きさの違う三つの正方形を出すから、ルティアも魔法で同じ大きさの正方形を出してみて」

「わかった!」


頷いてグロリオサを構えたルティアと同じようにリアラもクリスタルを構える。リアラが杖を一振りすると、テーブルの上に氷でできた大、中、小の正方形が三つ現れた。


「ゆっくりでいいわ、時間をかけてやってみて。同じ大きさにするのが難しかったら、大体でいいから同じくらいの大きさにしてみて。魔力の調節ができるようになるための練習だけど、まずは自分の魔法に必要な魔力の量を覚えることが大切だからね」

「わかった、やってみる!」

「できたら教えてくれるかな?私、ちょっとディーヴァの様子を見てくるね」

「はい、先生!」


先程のディーヴァと同じように敬礼するルティアにリアラは苦笑しつつ、一人で練習しているディーヴァの元へ移動する。

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