▽ 覚えることはまだまだある 7
各々の使うノートとペンを置き、丸いテーブルを三人で囲むように座る。
「じゃあ、準備もできたし、始めましょうか」
「うん!リアラ先生、今日はよろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
こんな機会は滅多にないからか、ルティアはノリノリで生徒のように挨拶をして、ディーヴァもルティアを真似て挨拶をし、二人で元気よく頭を下げる。そんな二人にリアラは苦笑する。
「先生という程教えるのが上手いわけじゃないんだけどね。こちらこそ、至らないところがあると思うけどよろしくお願いします」
丁寧に挨拶を返してペコリと頭を下げると、じゃあ、とリアラは早速指導に入る。
「まずは最初に自分の魔力で自分の思い描いた物を形作ることから始めましょう。基礎的な鍛錬ではあるけれど、思い描いた物をイメージ通りに形にするのは魔法を使う上で大切なことだし、素早く形にできるようになれば魔法を発動する時間も短くできるからね」
「うん、わかった!」
「はーい!」
「今回は三人で同じ物をイメージしてみましょう。ルティアとディーヴァが攻撃魔法を使う時には槍のイメージが多かったわね、なら、私もそれに合わせるわ。私のかけ声に合わせて一緒に槍を形作って」
二人が頷き、両手を前に出したのを確認して、自身も両手を前に出し、リアラはじゃあ、いくよ、と告げる。
「いち、にの、さんっ!」
リアラのかけ声に合わせて、三人は魔力を放出する。淡い水色、明るい黄色、乳白色の魔力が溢れ、槍を形作る。多少の形の違いはあれど、三人共槍を作ることができた。
「うん、基礎的な鍛錬は大丈夫そうね」
「うわ、リアラ早いなあ…流石というか、何というか…」
「うう、あたし一番遅い…」
ルティアはリアラの魔法を発動する早さに感嘆し、ディーヴァは自分が一番遅かったことにガックリと肩を落とす。それぞれの反応にリアラはくすりと笑みを零す。
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