DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 覚えることはまだまだある 1

きっかけはルティアの言葉だった。


「ねえリアラ、私にもディーヴァみたいに教えてよ!」

「え?」


熱を含んだ風が少しずつ冷たくなり、木々も色を変え始めたある日。リアラが薬草の配達と薬の受け取りにルティアの家を訪れ、用事を終えてお茶を頂いていた時のこと。唐突なルティアの言葉にリアラは目を瞬かせる。


「ディーヴァみたいにって…魔法を、ってこと?」

「そう!」


強く頷くルティアに、リアラはうーん、と考えこむ。


「ディーヴァと同じようにって言っても、実際に教えているのはほとんどルティアでしょう?私は時々教えるくらいだし…それに教えるって言っても基礎の積み重ねとしての鍛錬をしているだけだし…」


死神が指導者として指名したのはルティアであり、魔力操作の指導は頼まれているとはいえ、自分は補助の役割だと考えている。ルティアの方が属性的にはディーヴァと近いし、彼女に教えてもらった方がディーヴァもわかりやすいだろうと思う。自分がディーヴァに教える時はほとんど基礎魔法の繰り返しで基礎を固めているだけだ。それに、ルティアには死神という自分より遥かに優れている教師がいるのだから、自分が教えるのは何だかためらわれる。私が教えてもあまり変わらないと思うよ?と遠慮がちに言ったリアラに、ルティアはぶんぶんと首を振る。


「そんなことない!リアラは私より知識も経験もあるし、何より教えるの上手いもの!ディーヴァに教えてるの見た時、すごいわかりやすかったし!」


それぞれの仕事があるから三人揃って、ということはほとんどないのだが、それでも何度かはリアラと一緒になってディーヴァに教えたことがある。その時は交代で教えるのだが、側から聞いていてもリアラの話はとてもわかりやすかった。彼女の性格もあるのだろうが、相手がわかりやすいようになるべく難しい単語は使わずに教えていて、時々例えなどを交えて話している。一度でわからなければ今の状況と要点をまとめて話すし、何度だって教える丁寧さがある。ルティアの勢いにリアラが戸惑っていると、ふいに応接間の扉が開いた。

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