DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 雨が止むまで 9

「魔女の血をひく女性は魔女になる修行を重ねて100歳になれば一人前の魔女と認められ、その際に先輩の魔女達から別称を与えられます。別称は呪術師や魔獣の呪いから身を守るために必要なものであり、本当の名前の代わりに名乗るために必要なものでもあります。…けれど、当時の私は別称を貰えるとは思っていませんでした。魔獣の血をひく私は同じ魔女達からも疎まれていて、別称をつけてくれるような人はいないと諦めていたんです」


けれど、母の友人である魔女達は自分を呼び、自分のために別称を考えてくれた。魔獣の血をひく魔女に別称を与えたとなれば、自分達だって他の魔女達から差別される危険性があったのに。


「貴女のお母さんもお父さんもいい人だもの、母の友人であるあの人達はそう言っていました。貴女もいい子だしね、そうも言ってくれました」


だから、あの人達は私と両親に繋がりがある物で別称を考えてくれた。父様と同じ属性だから父様の別称である『白氷の魔獣(スノウ・ビースト)』から『氷』を取って、もう少し柔らかいイメージでと『雪』に、母様と同じく花が好きだから私の一番好きな花で『薔薇』に。それを合わせて『雪の薔薇(スノウ・ローズ)』。私が貰った名前だった。


「母様と同じ木の属性の方は、『雪の薔薇』なんて白い薔薇のイメージで貴女にぴったりね、って言ってくれたんです。白い薔薇の花言葉を指して言っていたんでしょうね、私にもすぐにわかりました」

「『純粋』、だったか。あとは『深い尊敬』、という意味もあるな。確かにお前にぴったりなイメージだ」

「お詳しいんですね」

「永く生きているからな」


そう言ってフィナンシェに手をつけた死神を見ながら、ああ、そういえば、とリアラは思い出したように言う。

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