DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 雨が止むまで 1

「まったく…雨は嫌いだというのに」


降り注ぐ雫に死神は深いため息をつく。
気まぐれに人の住む街に立ち寄った帰り、途中でルティアのところに行って彼女をおちょくって楽しもうと思っていたのに、街を出た途端に雨が降り出してこの様だ。身体の手入れだって楽ではないのにと屋敷に帰ってからのことを考えていた死神は、ふとあることを思い出す。


(そういえば…)


何千年と生きてきた中で頭に刻んだ地理を脳裏に浮かべる。確か、ここからだとリアラの家が近かったはずだ。多少時間はかかるが、ルティアの屋敷に行くよりはだいぶ距離は短い。


「少し雨宿りをさせてもらうか」


基本的に人の頼みは断らない彼女だ、事情を話せば快く迎え入れてくれるだろう。向かっていた方角を変え、死神は金属でできた翼を羽ばたかせるとその場を飛び去った。

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