DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 小さな君 12

夜、ダンテが風呂に入ったのを見計らって、リアラは勉強会の主催者である魔女に電話をかけた。パートナーが元の姿に戻ったことを話すと、彼女はほっと安堵の息をつく。


「そうなの、それはよかったわ」

「はい、ご心配をおかけしてしまい、すみません」

「何を言っているの、謝らなきゃいけないのは私の方だわ。娘があんなことをしちゃってごめんなさいね」

「いえ、あれは事故みたいなものですし…彼も私も気にしていませんから。娘さんに元に戻ったから心配ないと伝えて頂けますか?気にしていると思いますし…」

「ええ、伝えておくわ。娘の心配までしてくれてありがとう」

「いいえ」


リアラがふるふると首を振ると、それにしても、と今度は魔女から話を切り出す。


「元に戻るのが早かったわね、特殊な状況だったからもう少しかかると思ったんだけど…一日で元に戻るとは思わなかったわ」

「その、いろいろとあって…自然に魔法が解けたわけじゃなくて、彼が自分の力で魔法を解いたんです」

「彼が自分で?」

「はい」


リアラが事情を説明すると、そうだったの…と受話器ごしに彼女が頷いたのが雰囲気で伝わってきた。


「状況が状況なだけに仕方がないことだけれど、貴女も気をつけなきゃね」

「はい、すみません…」

「謝る相手は私じゃなくて彼でしょう?とは言っても、貴女のことだから彼にはもう謝ったんでしょうけれど」


彼は許してくれた?と尋ねる魔女にリアラは頷く。


「はい」

「そう、優しい人なのね。…いえ、貴女だから、かしら」

「え…?」

「子供達の相手をしてくれていた時も優しい目をしていたけれど、貴女と一緒にいた時の方が比べ物にならないくらいの優しい目をしていたもの。貴女のことが大切で、守りたいって気持ちが現れている、そんな目。小さな魔獣の姿でもよくわかったもの」


リアラは驚きで言葉が出なかった。
彼が、私のことを大切に思ってくれている?契約しているパートナーだからじゃなくて?
ふふ、と魔女は笑う。


「とてもいい関係を築いているのね。もしかしたら貴女が話してくれた貴女のご両親のようになれるかもしれないわね」

「父様と、母様のように…」


仲睦まじかった両親の姿を思い出す。と、その時、ガチャリと扉の開く音が聞こえ、バスルームからダンテが顔を出した。


「リアラ、風呂空いたぞ」

「あ、うん」

「話が長くなっちゃったわね、この辺りにしておきましょうか。わざわざ電話してくれてありがとう」

「あ、いえ…」

「彼と仲よくね、おやすみなさい」

「はい、おやすみなさい…」


電話が切れたのを確認して、リアラは静かに受話器を置く。ガシガシとタオルで頭を拭きながら、ダンテはリアラに近寄る。

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