▽ 小さな君 3
「ごめんね、ダンテ、あまり気にしないで。ここに来るといつもこんな感じだから…」
どうやら自分が彼女達の話を気にしていると思ったようだ。苦笑する彼女にダンテは笑いかける。
「大丈夫だ、気にしてねえよ。どっちかって言うと憧れとか好奇心とかそんな感じの雰囲気だしな、あれだけ若けりゃあ、そんなこともあるだろ」
「…そっか。ありがとう、ダンテ」
「礼を言われる程のことでもねえよ」
目を細めて笑ったリアラは前を見ると足を止める。
「ここだよ」
彼女が指を差した先には、茶色い屋根の素朴な一軒の家があった。屋根と同じ色の扉をリアラがコンコン、とノックすると中から女性が出てきた。魔力を感じるので魔女だろう。魔女はリアラを見留めると顔を綻ばせる。
「リアラ、いらっしゃい。来てくれて嬉しいわ」
「こんにちは、お久しぶりです」
挨拶と共にリアラが頭を下げる。魔女はこちらに気がつくと初めまして、と笑って言う。
「貴方がリアラのパートナーね、彼女から話は聞いているわ。ダンテ、だったかしら?」
「ああ」
「一緒に来てくれて嬉しいわ。魔女の勉強会だから見学という形になってしまうけれど、ゆっくりしていってね」
さ、入って、と促す魔女にお礼を言い、二人は家の中に入った。
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