DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 知らない感情 18

午前の分の配達を終え、家に戻ってきたリアラはエレベーターである鳥籠に乗り込む。


「お昼は何を作ろうかな…」


音も立てず静かに昇っていく鳥籠の中で、リアラは献立を考え始める。


(卵があるからオムレツにしようかな…パンはトーストにして、玉ねぎもあるからベーコンを入れてスープにしよう)


ある程度の献立が決まったところで玄関の前に着いた鳥籠が停止する。開いた扉をくぐって歩き、リアラは玄関の扉を開ける。


「ただいま」

「おう、おかえり、リアラ」


すぐ返ってきた出迎えの言葉にリアラがリビングを見ると、風呂から上がったばかりなのだろう、肩にタオルをかけたダンテが座ってこちらを見ていた。


「おはよう、ダンテ。起きてたのね」

「ああ、一時間くらい前にな。おかげでよく眠れた、ありがとな」

「どういたしまして。もしかして寝る前にお風呂、入らなかったの?」

「ああ、あの後そのまま寝ちまったからな。まさかお前があのまま寝るとは思わなかったからな、ベッドに運んだんだが、俺も眠くなっちまって…」


その言葉に、ビシリとリアラは固まる。


「ダンテ、今、何て…?」

「ん?ああ、お前は覚えてないか。お前な、あの後そのまま寝ちまったんだよ。起こすのも悪いしそのままにもしておけなかったからベッドに運んだんだが、寝てるお前見てたらつられて俺も眠くなっちまってな、移動するのも面倒だったから隣りで寝させてもらった」


悪いな、と悪びれずに言ったダンテの話に、リアラは恥ずかしさで顔を覆う。何をやっているんだ、自分は。子供じゃあるまいし。


(どうりで晩ご飯の片付けをしてないと思った…)


今朝、ダイニングに行った時にテーブルの上に夕食に使った食器がそのままになっていたのを思い出して納得する。顔を真っ赤にしているリアラに近づき、ダンテは宥めるように背中をぽん、と叩く。


「まあいいじゃねえか、そういうこともあるだろ。寝顔かわいかったぜ、抱き心地もよかったし」


いろいろとつっこみたいところはあるが、恥ずかしさでそれどころではないし、疲れているのに運んでもらったのだから言うのはやめておこう。ため息をつきつつそう決めたリアラはダンテを見上げる。


「疲れてたのにわざわざベッドまで運んでくれてありがとう。今度から気をつけるね」

「気にするな、俺が不安にさせたせいでお前が遅くまで起きてるはめになったからな、おあいこってやつだ」


笑って返すダンテにリアラもようやく笑みを浮かべる。


「今からお昼ご飯作るね、ちょっと待ってて。あ、髪はちゃんと乾かしてね」

「はいはい」


ひらひらと手を振ってリビングへ戻るダンテを見送り、リアラは昼食を作るためにキッチンに向かった。

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