DMC×魔女パロ | ナノ


▽ 知らない感情 15

「待って。…もう少しだけ、話をさせてくれないかな?」


振り向かず、前を見たままリアラが静止の言葉をかけてきた。強制的ではない、お願いのような穏やかな声音。その言葉にダンテは動きを止め、しばし考えた後、その場に座り直した。ありがとう、とリアラが言う。


「ダンテの気持ち、よくわかったよ。話してくれてありがとう。そうだね、私は自分のことは二の次にして周りの人のことばかりを考えてる。…ううん、自分のことなんて考えてないのかもしれない」

「……」

「小さい頃から魔獣に狙われて、父様や母様に迷惑をかけて、心配をかけさせて…どこにいても狙われるから、周りにも迷惑がかかっちゃうし…自分は周りに迷惑をかけてばかりだと思ってた。けれど…」


天井を見上げ、リアラは続ける。


「ルティアやバージル、死神さん、ディーヴァや若、キリエにネロにクレドさん、それに町の人達も。…たくさんの人が、私を心配してくれてるんだよね」

「…リアラ…」

「…それに、ダンテも。ううん、ダンテが一番私の傍にいてくれて、私の心配をしてくれてる。こうやって、母様に薬を作ってもらいに魔界まで行ってきてくれたものね」


ゆっくりとダンテの方を振り返り、リアラは笑う。
だからね。


「…もう少し、自分を大切にするね。もう少し、って言うことしかできないのが申し訳ないんだけど」


あとね、とリアラは続ける。


「魔獣に髪を切られたのは私の不注意で、ダンテのせいじゃない。それは変わらないよ」

「……」

「だいぶ遅くなっちゃったね、お風呂入れてあるから入って、ゆっくり休んで。聞いてくれてありがとう」


ご飯の後片付けしてくるね、そう言って立ち上がろうとしたリアラだったが、腕を引っ張られ、体勢を崩して後ろへ倒れ込んでしまった。驚きに閉じていた目を開くと、こちらを見下ろすアイスブルーの目と視線が合う。

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