▽ 彼女について 7
「待って!」
「?どうしたの、リアラ?」
「二人共、この後何か用事はある…?」
リアラの問いに、二人は顔を見合わせる。
「ううん、特にないよ。買い物に行こうかなーって思ってたくらいかな」
「私もルティアについてきただけで特に用はないな。それがどうかしたか?」
「あの、よかったら依頼の報告が終わった後に一緒にお茶しませんか?依頼先がある街にアップルパイがおいしいお店があるんです。この辺りを直して頂いたのに何もしないのは心苦しいですし…」
おずおずと言うリアラの言葉に死神は目を瞬かせると苦笑する。
「気にすることなどないのに律儀な奴だな、お前は。せっかくだ、その言葉に甘えて頂くとしようか」
お前はどうする?と死神が問いかけるとルティアは目を輝かせて強く頷く。
「行く!じゃあこのままついていってもいいよね、リアラ!」
「うん」
「やったあ!」
両手を挙げて喜ぶルティアは早く行こ!とリアラを手招く。くすりと笑みを零し、リアラは歩き出す。ダンテも笑ってその後をついていく。
「せっかくだから、お茶した後に一緒に買い物行こ!あまりこの辺りの街に来たことがないからいろいろと見たいな!」
「じゃあ、街についたら案内してあげるね」
「うん!楽しみー!」
「リアラ、さっきのお詫びだ、俺が飛んでいくから背中に乗れ」
「うん、ありがとう、ダンテ」
「私は少し疲れたからな、ルティアの杖に乗っていくとするか」
「疲れてなんかないでしょ、死神さん…」
並んで話しながら、四人はその場を後にしたのだった。
***
2017.10.7
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