▽ 彼女について 6
「随分と楽しそうだな」
「あ、死神さん」
「お疲れ様です、死神さん。すみません、話すのが楽しくて、つい…」
「気にしなくていい、大した作業じゃなかったからな。それより…」
一旦言葉を切り、死神はダンテとルティアへ視線を向ける。
「何やらリアラが私のようにならないように二人で止めていたようだが、私に何か問題でもあるか?」
「え、あ、えっと…」
「あー、いや、な…」
聞いていたとは思わず、二人は気まずそうに視線を逸らす。どうしよう、と困った顔でリアラが二人と死神を交互に見ていると、ふいに死神がフ、と笑みを零す。
「まあ、いいだろう。私と同じ奴が居ても面白くないからな、私は私一人で充分だ」
そう言い、死神はリアラの前まで来るとポン、とリアラの頭に手を置く。
「リアラ、人には個性があるから面白い。同じ奴ばかりでは面白くないだろう?」
「?あ、はい…」
内心首を傾げながらもリアラが頷くと、死神は満足気な顔で踵を返す。
「さて、それなりに楽しめたし帰るとするか。行くぞ、ルティア」
「あ、待ってよ死神さん!」
慌てて立ち上がり、死神の元へ駆け寄るルティア。そのまま二人がその場を離れようとした時、リアラが声をかけた。
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