▼ 天の川(銀魂)
机に星がぶちまけられていた
星とまごうような様々な彩りの指先ほどの飴はぶちまけた者の指によって口に放り込まれている
「うまいアルカ?」
うんとうーとの間の返事を銀髪の主は答えた
多分美味しいのだろう
いつだってけだるげで大好きなものを食べている時だってそうテンションが上がるわけではない
ローとローとニュートラルと中々切り替わらないハイのギアはいつだってローに入っているのだ
今だって桂の土産の飴を美味しそうな顔すらせず黙々と食べている
大好きな甘いものなのに
「ちょーだい」
脈絡なく手を差し延べると口に運ばれそうになっていた指が止まる
一瞬の間のあと空いた片手がちょいちょいと手招く
招かれるまま目の前に座るとあっと言われた
つられてあっと口を開ければ口の中に星が放り込こまれた
「旨いか?」
ん、と頷くとぶちまけられていた星はその大きな手の平に集められる
そして包まれた星は神楽の手の平からこぼれ落ちるほど落とされた
やる、とうっすらと浮かべられた笑みに満面の笑みで返した
星すらくれるのに、どうしてそんなに虚ろなのか
知りたくて仕方ないのに聞くほどの距離にいない自分を知っているからただ、笑った
prev / next