Summer Kiss
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数日後。
SPのみんなが揃ったのを見計らい、夏子はいそいそとリビングにやってきた。
かき氷器のお披露目だ。
「皆さん!かき氷パーティーしませんか?みどりが送ってきてくれたんです!」
夏子の一声に、SPの全員が目を輝かせる。
「すげー!かき氷食べたい!夏子ちゃんと食べたい!」とそらが歓声を上げる。
「トッピングを色々準備しないといけないな」と昴はさっそく材料を挙げ出す。
「うわ〜!イギリスで食べられるなんてうれしいです!」「だよな!」真壁と海司が嬉しそうに笑う。
浮き足立つメンバー達を、清墨だけが妙に涼しい顔をして見ている。
その違和感に、まず真っ先に気がついたのがそらだった。
「あれ?エイちゃんが一番喜ぶと思ったんだけどなー」
「すげー落ち着いてるっスね。食ったことあんの?」
「ホントですね。かき氷器に一番興味を持つと思ったんですけど」
そらの鋭い言葉に、海司や真壁がやんややんやと加勢する。
すると清墨は腕組みして「ふふん」と鼻をならした。
「そらっち、海司、マカボン…残念だったな」
ぽかんとする三人に、清墨はドヤ顔で宣った。
「最高にうまいかき氷を、最高の食べ方で食べたことがあるので」
そう言って清墨はチラリと夏子を見ると、周囲に分からない程度に軽くウィンクをした。
その瞬間、色々と思い出したのであろう夏子は一瞬で真っ赤になる。
その姿を確認して、やっぱり清墨はニヤッと笑ったのだった。
昴だけが、開封済みのシロップの瓶と夏子を交互に見て、やれやれと呆れ顔をしたのを二人は知らない。
“夏の定番”かき氷は、二人の恋にあざやかな彩りを添えてくれたようだ。
でも。
甘くイジワルな恋人との夏の思い出は、きっとまだまだ増えていく。
End.
Byリナ:SeaDrops 海の雫
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