火神が成仏させるよ!!
チュンチュン。外で雀が鳴く声で火神は目を覚ました。あれ、俺、学校で肝試しして…。

ふと視線を下に落とすと、あのイケメンが寝ていた。隣で。


「……うわああああ!?」

「ふわあ、あ……おはよ」

「な、ん、はああ!?」

「うるせえぞ、大我。それでも日本男児か?」


イケメンは白いシャツに黒いスリムなパンツを履いている。しかし、そのシャツは第3ボタンまで外されてはだけている。更に、ズボンの金具も外され、かなり見苦しい状態。


「お前、ちゃんと服着ろ!社会の窓開いてんぞ!」

「クク、大我には刺激が強かったかな?」

「はあ……もう俺がやる」


火神は呆れた。このイケメンって昨日の幽霊?みたいな奴じゃねぇか。

脳内でぶつぶつ文句を言いながらも、甲斐甲斐しくイケメンの身なりを整えていく。


「これでよし」

「うん、ありがとう」

「っ!?」


ちゅ、と火神の頬に唇が触れた。突然のことに声が出ない。そんな彼を見てイケメンは笑った。


「大我は本当に見ていて飽きねえなあ。昨日の夜も、」
「そうだ!俺は昨日、あの後何したんだ?」

「……秘密」


語尾に星でも付きそうな口調に、火神は「ふざけるな!」と掴みかかったが、イケメンはへらへら笑い、飄々と逃げる。

そして、何故か火神が捕まえられていた。


「ふう…あまり朝からドタバタするのは好きじゃないんだ」

「お前のせいだろ……」

「…大我は本当にかまってちゃんだな」


ニヤリと不敵に笑う目の前のイケメンに、火神は厄介なモノを拾ってきたと冷や汗をかいた。


微笑むイケメン


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